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5.夢と詩について[2]
                                



詩の発想は夢と同じく向こう側からやってくるものなので、詩人はそいつを創ることはできない。精々そいつを文字で形にするのが関の山だ。やってくるものを描写しようとするのだが、土台無理なことだ。それは音を色に変換できないのと同じ事なのだから。だが、やってくるものが何なのか知ろうとすれば、先ずはそいつを掴まえようとするのが人情というものだ。だから、捕虫網でも被せてみたくなる。その網が言葉にすぎないのだろう。網の目から逃げ出したやつはどうすることも出来ないが、どうにか掴まえることができた奴が言葉の網の上を奏でて、半分逃げられたお化け虫の全体像をもっともらしく文字で再現しようとするらしいのだ。多分、そいつが詩なのだろう。


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