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95.道がありまして
                                



道がありました

道でなくともよかったのです

ぼくは野でも山でも歩けたのですから

でも

あなたはいつも道の上にいました

だから

ぼくは道の上を歩いてきたのです

あなたが道を信じているのかどうかは知らないが

あなたは道しか知らないだろうし

あなたは道のないところは歩けないと思っているから

ぼくは道の上を歩いているのです

道の上だって安全とはかぎりません

だから

ぼくは歩いているのです

あなたの手を引いて歩いているのです

でも

あなたはぼくの手を引いてくれているのかもしれません

少なくともあなたはそう思っているのでしょう

ぼくが道から逸れるのが怖いのでしょうから

黙っていても分かれ道はいつも安全な方を選んでいます

ぼくといればあなたは安心です

あなたといればぼくも安心です

あなたとだけいるならぼくは幸せなのでしょうが

ぼくはぼく自身とも一緒なので

いつも困っているのです

でも

あなたが幸福なら・・・

あなたを不幸になんて

どうせ

ぼくにはできない事なのですから







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