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103.悪夢は去っても上半身はまだ眠い
                                



そろそろ出ていけよ!!って肩を揺するやつがいる。貘に食われるのは嫌だからな、って無愛想に俺の頬をひっぱ叩いて早々と立ち去っちゃった。で、目覚めたら、心にびっしりと冷たい氷が張っていたので、これ幸いとスケート靴を捜したが片方だけしか見つからない。あいつは意外と逃げ足が遅いから多分、片方だけ食われちまったのだろう。なら、釣りをすることにしよう。公魚は今年は大漁だって聞いている。朝飯のおかずにちょうどいい。しかし、俺の場合得意なのはおか釣りで、おかず釣りでは無い。このとおり立派な竿はピント張ってはいるのだがなあ。それにしても、こんな綺麗なのに穴を開けるのには、俺としてもちょっと気がひけるなあ。この冷たくも美しい氷が張った心が、俺のものなのか彼女のものなのか判然としない霧のなかで、さて、もう一眠りすることにしよう。






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