鍾乳洞の頭蓋骨は 焼付く舗道を這う 青い逃げ水の隠れ処 白い魂が 虚ろに浮遊し 錆びた情熱が 湿った心の内壁をまさぐり 朽ちた悲しみは 流れることも 染み込むことも 蒸発することも 固まることもできないで 苦悶し ただ 落ちる 蛍が 着地するように あなたの影が 降りてきて 赤い腕が 伸びてきて けれども わたしのサングラスは まだ 青い逃げ水を追いかけている
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