ある風景

 

 

空の蒼さを半分だけもらった小川が

にこにこ顔で流れてゆく

目をつむったままの樹々も

やがて目をさますだろうが

寝ぼけまなこのねこやなぎが

ひと足さきに何やら呟いている

   季節は巡る
   だが 法則ではない
   偶然的必然なのだ
   万物の気まぐれに
   神仏が円い形を与えた
   それを輪廻と呼ぶ

木魚が春いちばんの流れにのって

ハワイアンののりで泳いでゆく

煙突の煙がよく靡いているところを見ると

きっと

あいつの魂もきれいに燃え尽きたのだろう

 

 

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