だんなさま

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　小笹二十志 作


あなたを　蜘蛛だと　知った時

私は　あなたの　糸のなか


美貌も羽も　力なく

涙に濡れて　きらめいて


蜘蛛の巣　守って　糸のうえ

いつから　あなたを　待つ　わたし


置いてけぼりは　せつないわ

あなたの毒が　たよりなの



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