夢の終着駅(車掌に罪キセル)

 

 

 

 

 

乗車券を拝見いたします
はい はい はい
はい どうぞ
毎度ありがと・・ はい
お客さん もし もし
お休みのところ申し訳ありませんが
もし お客さ

こりゃ 気安く体に触れるんじゃねえよ!!
せっかくいい夢見てたのにどうしてくれるんだ
いい女だったのに

どうも どうも 申し訳ありません
乗車券を・・仕事なものですから

なに!? 乗車券だと?
びっくりして目を覚ました拍子に 夢の中に落としちまったじゃないか
みんな夢の中だ そう 乗車券もだ

お客さん ご冗談を・・

なに!? 冗談だと!! 俺が無賃乗車をしてるとでも言っているのか!!

お客さん いい加減にしてくださいよ 下てに出てれば調子に乗っちゃって

嘘じゃない いい女だった 夢の中の女 ホントだ
あ!! あそこ あそこに座ってる女が夢の中の女だ

なんですって あの上品なお嬢さんが?

俺を追って夢の中からやってきたに違いない
聞いてみろ 俺の切符も持って来たかもしれないぞ

・ ・・・・・・????
あのう 失礼ですがお嬢さん そのう・・

車掌さん ここどこの駅かしら?

ここ中野かな ここ    ここなかのかなここ
そう? うそ       そう?うそ

車掌さん そんな遊びしてる場合じゃないでしょう
切符でしょ? はいどうぞ もう一枚はあそこの禿げたおじさんのよ
夢の中で落としていっちゃたから わたし、もってきてあげたの

えぇ〜っ ホントに 

驚いていないでよく切符見てよ 中野駅までよ
車掌さんのおかげで乗り越しちゃったじゃないの
変な遊びしてるから

お客様 どうも どうも 申し訳・・
どうか 次の駅ででもお乗換えください

だめよ わたし これから夢の国へ帰るんだもの
禿げたおじさんと二人っきりでね

どうぞ どうぞ お好きなように ほんとに ほんとに
ほんとに 車掌なんてやってられねぇよ 
俺 寝ぼけてんのか・・
どうも どうも おじゃましましたね
ほんとに ほんとに ぶつぶつぶつ

センセ 危なかったわね
終着駅の大学前まで乗っちゃいましょ
二人っとも定期券持ってんだものね

君はいつも可愛いなあ 単位の心配はいらないよ
じゃあ お休み 僕にすがって 
終着駅はまだ遠いから

 

 

 

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