月明

 

 

 

カレンダーをめくれば

月明


まるい月を

離れた光が

幾重もの切り絵になって

高速艇がつくる波を追いかけてくる幻

瀬戸の海にど演歌の歌詞がぴったりきて

光は幾重にも波うって潤んでいた


描かれているはずの

明日

逆走する高速艇

閉じることなどできないカレンダーの前で

しゃがみ込む幾多の

昨日

 

 

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