田舎町の図書館
文士の集団墓地
呪いをかけたのは誰
たたずむ
一冊
一冊
それは墓石だ
滴りおちる
電卓の音は葬式坊主の御経
冷たい
南無阿弥陀仏
電卓のオーラが頁を
貝よりも硬く閉ざす
生きている？
死んでいなければ
聞こえる？
意味があるならば
指を止めさせろ
魔法をといてくれ
迷い迷って行き着いた
鄙びた町の入り口は
観音開きの三面鏡
鏡の中の無限の迷路
映っているのはおまえだけ
方向音痴も関係ない
まっすぐ歩けばいい迷路
狂ったように
電卓のキイを叩けば・・・
坊主が木魚を叩くように
聞こえてくる
生きているのはどちらだ
死んでいるのは
俺か
お前か
ひからびた活字
ミイラめ
「永遠の命をそう叫ぶのは勝手だが
ミイラどころか 抜け殻にさえなれない
ただの無だ
電卓の音にも劣る nothing!!」
キャベツに穴をあけたのが
青虫なのか雹なのか
３０年？
あるのだろうか
余命？
地球？
失意の底に
何が貼りついているのか
この壷は骨壷か？
蛸壷かそれとも糞壷か？
それはゴロあわせか
はちあわせか
南無釈迦無ニ佛
インパールの白骨街道
横たわる死体を
死臭を消した
アニメが起こす
骸骨に軍服を着せ
日の丸を剥ぎ取り
国連＝傭兵のマーク
Ｐ Ｋ O
魂はどこへ行った
色即是空
円を叩くな＄札紙幣
叩いているのは福沢諭吉
所詮は紙屑南無阿弥陀仏
地球は円い 否 球い
逃げるには
あまりに具合が良くない形
神様の試作品
アーメン
詩なのか落書きなのか
そんなことは気にしない
手紙なのか寄稿なのか
そんなことは気にしない
これが遺言ならば
なお気にしない
アラーの神もヒトラーも
お手手つないでな南無阿弥陀仏