巨大な凹面鏡に引き裂かれた 冷えた亡霊どもが 蒼い曲面にすすり泣いているのが聞こえてくる 僕は慌てて 灼熱の記憶を照射する と 過去の一点が激しく燃え上がる が 狼煙にもなれないまま また ため息に鎮火されてゆく 白く 蒼く 冷たく また 何かに融けてゆく
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