林檎飴

                                  小笹二十志 作



林檎飴を

舌の先で 突っ付いてたら

けらけら笑って
 
どっかへ 飛んでっちゃった

わた菓子 買ってたら

ポテトチップス くっ付けた 林檎飴が

ブーメランのように 帰ってきたの

わた菓子は あきれちゃって

ちぎれちゃって

林檎飴の上で 踊りはじめたの

あいつをのせた地球儀を

掌の上で 転がして

わたし  ちょっとだけ 独裁者

地球が 火星のように 赤くなったら どうしよう

あいつが 時々赤くなるの わたしのせいなら わた菓子あげる

林檎飴が むくむく 膨れてきた

大きくなって アドバルーンに なった

ジェットコースターで
 
茜色の雲をくぐって わたしの顔にぶっかって

ドカンと 破裂

わたし 林檎飴で 血だらけ

あいつの舌が けらけら 笑って

林檎飴を 突っ付いてる



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