若草のように萌え出したばかりの希望を 仔栗鼠のように舐めまわしている少女が 眠気まなこで部屋の窓を開けっ放して 崖路に姿を晒すのは危険だ 荒れた目つきの獣たちの餌食になるのは目に見えているではないか 太古の黴を湛えた父親の肋骨の隙間から心臓を目指して あのやっかみが錐のように刺し込んでくる まだ早い
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