いたいの いたいの とんでいけ

                                  小笹二十志 作



いたい いたい ただ いたい

いたみを こらえて とび起きて

とにかく 食った ただ 食った

手術日 麻酔がとけた夜

無理して食った いたみを こらえ

たらたら 血だらけ 口の中

正真正銘 ホントの赤飯

たらふく食って 前祝

けれども いたい ただ いたい

いたい いたい ただ いたい

座薬効かない モルヒネでない

いたいの いたいの とんでいけ

祈る 毎日 三日三晩

何も食えずに 三日三晩

体力 気力 知力は萎えて

食欲 性欲 知識欲

みんな 浮き世の たわごとで

ただ ただ いたい ただ いたい

いたいの いたいの とんでいけ

三週間と三日の祈り ようやく通じて

痛みが とれた

この世の天国 あの世じゃないぞ

白衣の天使に あ〜〜んして ご馳走

慣れりゃ 天国 浮き世じゃ地獄

酒だ デイスコだ ゴルフがしたい

ただ ただ でたい ただ でたい

いたくない いたくない

病院になんて いたくない




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