片目の犬が 往来のど真ん中を 歩いてゆく 真っ直ぐに 歩いてゆく どんどん どんどん 歩いてゆく でかくもなければ 風格もない 片目の犬が 陽炎に 揺すられることもなく 真っ直ぐに 歩いてゆく どんどん どんどん 歩いてゆく 見えなくなるまで 歩いてゆく はて あいつの片目に 一度でも 俺の姿が 映っていたことがあったのだろうか
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