死の髄を 老斑の皮膚が 覆い尽くし
蛇のように 浮き上がった 血管の中を
言葉が 命にしがみついて のたうち廻っている
静謐の闇の中で 耳鳴りだけが 大きく唸声をあげ
鈍痛となって 全身を駆け巡る
ああ もしかしたら 私は
失外套症候群にでも 冒されることを
望んでいるのかもしれない
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