この泥沼の中を首まで浸かって何年歩いてきただろうか
そういえば もうすぐ二十年の表彰だな
休めばたちまちヘドロを食って死んじまう
そう信じていた
この闇の中では目は全く不要だ
鼻だってホントに利いているのかどうだか
匂いの無い生活が続いている
ヘドロの匂いなど少しもしないではないか
ここは 本当に泥沼なのか それさえ 確かめたことも無い
たとえば 片栗粉か何かを溶かしたものであってもおかしくはない
シチュウかもしれないし 私の大好物のとろろ汁かもしれない
"ぬかるみ"
それだけしか 本当は わかっていないのだから
なーに すぐに こうして ちょっと手で掬って舐めてみ・・
舐めてみ・・ 舐めて・・
舐めてみても 味が無い
舌さえも・・