ご無沙汰

 

 

 

やあ 来てくれたか 久しぶりだな

ご無沙汰して 申し訳ない

いや 俺の方から 会いに行ってもいいのだが 迷惑をかけてもと思って

ここは 通学路か 子供たちの夏休みも 終わったようだな

そういえば 俺たちは同じ年の春に 同じ小学校に転校してきたんだったな

小4か 長い付合いだな まったく

そうだ 転校して3日目に クラス委員の選挙があった そして
いきなり お前が 委員長になった 

そうだったな 顔で選ばれたんだ あの時 なんか 俺にいやみ言ったろう

そうだったかな 許せ 羨ましかったんだろう

副委員長の女の子か 可愛かったものな おれ 正直いって楽しかったよ
そういえば 彼女 高校で 同じクラスだったんだよな おまえと
いま 彼女 商社マンと結婚して カナダにいるそうだぞ

おれは 彼女を好きになったことはない 
あの頃 俺は 先生が好きだったんだ

え ええええ え!!? 初恋の相手が 先生かよ 畏れ多いやっちゃなあ
そういえば 夏休みが 終わった後 宿題のほかに 大学ノート 
2冊も提出してたな ぶったまげたぞ 俺は 宿題が やっとだったのに

へへへ・・・ところで 先生 元気か

うん 元気だという噂だ 会いたいだろう いい先生だった 俺も会いたい

いや 俺は 会いたくない だって あれから 何年経ったていうんだ
俺たちより 13〜14は歳が多い もう ばばあだ 

40ばばあか 失礼なやっちゃな ま だれも聞いてないか

優しい先生だった ほら お前のシンバルで 合奏が めちゃくちゃに
なったときも 最後まで 励ましてくれてただろう

うん 優しい先生だった だが 子供心にも 
可愛いと思えるとこのある 先生だった

俺は あの 原田とかなんとかいう若い男の先生 あいつが妬ましかった
先生 あの男に会うときは いつも スキップふんでたもんな

そういえば ガキ大将の澤田 あいつが 「先生のはどんなんかな〜」って
床にねっころがって スカートのなかのぞいた時なんか 一言も怒らないで
まっかな顔して 逃げてったものな

はっはははは 純情だったんだな

ま また 会おう 俺も最近忙しいし ここは ちょっと 遠すぎる
お前の方からでてきてもいいぞ 俺は一人暮らしだから 
迷惑するものはいない    ところで   何年になる? 

うん もうすぐ まる 三年だ

早いものだな じゃ 花 ここへ立てとくぞ 線香もな

おう すまんな じゃ また

 

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