僕がかざした花束の影のなかに
長い髪の少女が一人
こちらを見上げて座っている
真っ赤なスカートから
はみ出した膝頭に
目を遣って
おやっと
思う
正座していると
思っていたのに
脚は
ずっぽり
水のなかだ
少女のお尻は気持ちよさそうに
ぷかぷかと浮いている
片手の指先を軽く唇にあてて
くすくすと笑っているように見える
僕が花束を持った手を大きく振ると
蒼い花びらが一ひら舞い降りて
少女の黒髪を彩った
何度も何度も手を振ると
色とりどりの花が舞い落ちて
少女の水辺を飾っていった
少女は
ぷかぷかぷかぷか
いつまでも
雲のように浮かんでいる