した町っ娘

 

 

 

 

 

雲に 

 

あの娘の 

 

自転車の

 

 影が

 

薄桃色に 流れていく

 

サドルが はにかんだ声で

 

いたずらっぽく 歌っている

 

悲しみを カムフラージュした

 

おどけた瞳

 

あどけなさを セクシーに 見せびらかして

 

戸惑いが リズムっぱずれで

 

ハンドルは よろよろと

 

れんげ畑に ぼくを寝ころばせる

 

時間の指輪を 慌ててはずし

 

剣の舞いでも 舞うように

 

熱く 激しく 哀しく もどかしく

 

吹かれ 廻って ちぎれて 流れ

 

薄紫に散っていった

 

淡い面影

 

 

2003.2.5                 

 

TOP