赤とんぼぼとんと落ちて日は哀し

 

 

 

 

蜘蛛の巣にかかった三日月の足掻きが

 

轢殺された小動物を幽かに映し出している

 

口を開けたイチジクの実からは潰れた読経が流れ

 

茶色の紫陽花が乾涸らびた掌を摺合わせている

 

 

確か往くときにこの道で出会ったのは

 

遠足のようにはしゃいでいる

 

女子中学生の姿をしたコスモスの群れだったはずだが

 

 

 

 

 

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2003.1.20