暮れ
もみの木のイルミネーションに群がる相場師たちの酒盛り
にょっきり生えてたビルの根本で
白い髭の赤い影がデジタルを静かに刻む巷
手ふりの亡霊が焔になって指をくねらせているが
影絵の形が読みとれない
氷の地べたに張り付いた掲示板の光がちくたく痛い
ぬめりに喘ぐ血眼だけが
大海に漂うクラゲのように
時も忘れてけたたましく揺れ動いている
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